橋下氏タレント本格化 4月からTVレギュラー内定

もう政治家はやらない? 橋下徹大阪市長(46=前おおさか維新の会代表)の政界引退から2カ月が過ぎた。今夏に衆参同日選が実施されれば、衆院選出馬もささやかれる橋下氏だが、4月からは「タレント弁護士」としてテレビのレギュラー番組を持つ予定だ。レギュラーとなれば期間は最低でも2クール(6カ月)以上が通例。本人の「もう政治家はやらない」の引退宣言通り、復帰は2万%ないのだろうか。

【写真】辛坊治郎氏 橋下氏の政界復帰「100%ある」

 橋下氏が「タレント弁護士」として活動を本格化させる。4月からはテレビ番組にレギュラー出演する予定で、単発番組の出演も各局と交渉中。お茶の間にはかつての茶髪の弁護士スタイルではなく、スーツに短髪の政治家スタイルで復帰する。

 「もう政治家はやらない」。昨年5月17日、悲願の大阪都構想住民投票で否決されると政界引退を表明した。昨年12月の引退直後も安倍首相らと会食するなど注目を集めるが、4月からレギュラーになればテレビ界の通例として最低でも6カ月以上が前提となり、今夏の出馬は難しくなる。

 橋下氏の弁護士事務所によると、企業からの講演依頼も殺到している。講演料はタレント弁護士時代から倍増の「1本200万円」。テーマは多種多様だ。企業経営者向けには8年間の知事、市長、国政政党のトップを務めた経験をもとに「組織マネジメント」、転職支援サービス会社の「仕事との向き合い方」、政治家主催の一般市民向けの講演もこなす。週1回のペースで実施し、秋まで予約が埋まっているという。

 今月8日には広島県福山市で一般市民向けに講演した。出席者によると、政界復帰の質問に「(大阪都構想の)住民投票で政治的には死んだ人間。次のリーダーをつくるサポートをしたい」と笑顔でかわした。

 タレント活動の本格化に維新関係者は「もう政治の世界には戻ってこないかも…」とつぶやく。ただ興味は失っていないようだ。2月に入りインターネット上に有料コンテンツ「橋下徹の激辛政治経済ゼミ」を開講。リアルタイムで約2時間、会員とチャットで直接討論する形式。月2回開講し、月額1万800円。約300人が入会した。14日初日は橋下氏のツイッターによれば「大変熱い激論が要因でシステムダウンとなった模様。まず全額返金致します」とハプニングが発生したようだ。自ら創設した国政政党「おおさか維新の会」では政策顧問弁護士として会合でアドバイスを送る。

 ライバルの自民党大阪府連関係者は「同日選になれば必ず出てくる」と、依然警戒を緩めない。維新幹部は政界復帰に「燃えるものがあればまた政治の世界で暴れてくれる

はず」と期待する。政治家かタレント弁護士か。その動向に注目が集まる。【松浦隆司】

 ◆「2万%」のワケ 橋下氏は08年府知事選を前に「2万%出ない」とテレビ番組で出馬を強く否定した。昨年5月17日の住民投票後の会見では、最終的に出馬したことに触れ「あの時はテレビ番組の収録を終えていて『出ない』と言わざるをえなかった。出ないと言わないと放送できないと言われた」と、うそをついた理由を明かした。

 

橋下徹ってどんな人!?

橋下徹を一言で言えば、礼儀正しい、スポーツマンの政治家だ。テレビでみるときの印象とは異なり、人の話をとてもよく聞く。その一方で、類い希な集中力で物事を瞬時に整理して、案件をてきぱき解決する。そして、本物の地方分権を成し遂げようとしている政治家だ。