日本人は「インドにも抜かれる必然」を直視せよ

グーグル、マイクロソフトソフトバンク……。これら世界トップレベルのIT企業の共通点は何か??そう問われて答えはいくつかあるのだろうが、経営トップがインド人であるという点は、昨今もっぱら注目が集まっているところではなかろうか。

 

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ソース:http://toyokeizai.net/articles/-/95036

 

実はほかにもアドビやサン・マイクロシステムズモトローラ、あるいはIT産業のみならずシティ・グループ、スタンダード&プアーズ、ドイツ銀行マスターカードなどの金融産業、そしてペプシなどの一般消費財なども含め、巨大企業の経営トップを務めるインド人は非常に多い。

量と質の両面で世界トップレベ

大企業だけではない。米国でスタートアップを立ち上げる起業家数を見てみても、いまやインド人がダントツに多いのである。米シリコンバレーで外国人が立ち上げた企業のうち、実に33.2%がインド人起業家によるものであり、2位の中国、英国(各5.4%)とは圧倒的な差がある(2012年、スタンフォード大のビベック・ワドワ教授調査)。

経営職のみならず、インド人には米国をはじめグローバルに活躍するソフトウェアプログラマーや科学者、医師などが多いことも有名である。

なぜここまで、人材輩出国としてインドが際立つのだろう? もちろん世界2位で、12億人超の膨大な人口を有している点は見逃せない。さらに国連人口予測によると、7年後の2022年にインドの人口は中国のそれを超え、世界一となる見通しだ。

しかし「規模」だけに注目されがちなインドの人材であるが、むしろ質的に世界トップレベルに優秀であることこそ特質すべきだろう。どんな点でトップかといえば、ずばり英語、そして理工系教育、この2点だ。

正確な統計を探すことは難しいが、インドで英語を母国語並みに操る人口は1億人以上いると言われている。これは米国に次いで2位。かつその数は、とてつもない勢いで増えている。なにしろ人口の半分が24歳以下の若年人口で、毎年大学に入学する人が2800万人いる国である。つまり4、5年ごとに日本の人口と同数の大卒労働者を輩出している国なのだ。

近年、インドでは旧来型の公立の小・中学校ではなく、私立の学校に通う子どもが急増している。そこでは小学校から、授業はすべて英語。これだけ膨大な英語話者が毎年輩出されているのだから、米国を抜いて世界最大の英語話者人口となる日は遠くない。

インドの大学、特に理工系大のレベルの高さは、世界的にも有名である。なかでもインド工科大学(IIT)は毎年1万人弱の定員に対し50万人以上の応募がある、つまり50倍以上の入試倍率を誇る超難関大である。

冒頭のグーグルやサン・マイクロシステムズの社長もこの大学の卒業生。IITはもはや、世界の一流企業にとって理工系マネジメント人材の輩出装置のようになっている。当然、その卒業生はグローバルITメガ企業がこぞって奪いに来る。初任給が数千万円というケースもあるという。

そのIITだけで毎年1万人近くの秀才エンジニアを輩出しているが、国全体では、毎年30万人の技術者を輩出していると言われている。インドがいかに理工系人材大国であるか、お分かりいただけるだろう。

インドは日本と「真逆国家」

ここまで論じてきたインドと、日本の状況を比べてみると、実に見事なまでに真逆の国であることに気づく。

・これから世界一になるほど人口が増える国と、これから人口が減っていく国
・人口の半分が若年層の国と、人口の三分の一が高齢者である国
・英語話者人口が世界2位の国と、ほとんどの人が英語を話せない国
・理工系人材を世界一輩出する国と、「文高理低」と言われる国

 

人材の量と質において、ここまで真逆同士の国も珍しいのではないか。この2国の今後を考えてみれば、当然、日本の経済は停滞するか、良くても低成長。対するインド経済は著しく成長する。その結果起きることは、インド経済による日本経済の「逆転」である。

IFMなど国際機関の予測によると、インドのGDPが日本のそれを抜くのは2025年、今からちょうど、というよりたったの10年後である(米ドルベースの名目。購買力平価ベースでは、すでに抜かれている)。

同じことがつい5年前に起きた。中国のGDPが日本を抜いたのが2010年。たったの5年前まで、日本は中国より大きかったのである。それが今や中国は日本の実に2倍以上の経済規模を持つ経済大国になってしまった(名目GDP米ドル比較)。それにより政治や軍事などあらゆる面で世界のパワーバランスが一変し、日本は相対的に弱々しく、不利になり、自信を無くしてしまった。

未だに日本人には「日本経済は中国より上だったのに……」という感覚が少なからずあるだろう。なぜなら、それがあまりにも短期間で起きたからであり、もっと言えば、その状況をまだよく呑み込めてすらおらず、しかるべき対応が出来ていなかったからではなかろうか。

それと同じことが、これからインドによってなされる。にもかかわらずほとんどの日本人が、本音では「インドはわが国よりはるかに遅れた国」と思っているのではないか。「一部優秀な人はいるかもしれないが、国全体としてはまだまだ日本のほうが格上だろう」と思っているのではないか。まさに10年前に中国に対し、そう思っていたのと同じように。

来るべくして来る時代に、どう備えるか

もちろん、そうはならないかもしれない。マクロ経済予測とは専門家の間ですら意見が別れるのが世の常。実際10年前には「中国経済はもたない」「必ず一度は瓦解する」などと専門家が言っていたし、そういう本も雑誌の特集も山ほどあった。

 

しかしいずれにせよ、ほとんどの国際機関が、向こう10年ほどのGDP成長をインドが7-8%、日本が1%弱と予測している。年複利7-8%という数字は簡単に言うと「10年で2倍になる」という数字である。対して1%では10年で1割しか伸びない。遠くない将来、インドが日本を抜き去るのは確実と見るべきだろうし、それに向けて備えをしておくべきだろう。では、どう備えるか。それは次回以降の記事でじっくり考察していきたい。

さて次回は、そのインドでもっとも強い産業、IT産業について、そのなかでも特に最もホットなテクノロジー系のスタートアップについて紹介する。今インドは、空前のテクノロジー起業大国となっている。

まとめ

インドのIT人材は昔から有名だし、若年層の多いことも知られてる。
でも、経済は停滞してパッとしないとおもいます。

今後の人口とIT人材の増加で、インドという名が大きく出ることがあるかもしれませんが

今の日本は、日本独自の技術を売っていくことが大事だと思っています。

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